4次方程式の解の公式の求め方を紹介

4次方程式

今回は4次方程式の解の公式を考えていきます。

ちなみに、

公式は長すぎてブログの余白に書ききることができませんでしたので(フェルマー並感)、

導出のための考え方を紹介します。

推奨レベルは、数学Ⅱの多項式の割り算らへんの基礎知識です。

ではいってみましょう!

目次

今回の記事の内容まとめ

冒頭に記事のまとめがあるという矛盾にどうか突っ込んでください笑。

今回の記事は計算がヤバすぎるのです。

計算に気を取られると本筋を見失ってしまうので、先に今回の記事の中核部分だけ紹介しておきます。

・4次方程式も平方完成っぽい変形でちょっと簡単にできる。

・$y=s+t+u$という置き換えで文字を増やす。

・解と係数の関係を使って、4次方程式の話をうまく3次方程式の話にすり替える

以上です。

この記事で伝えたい内容は、マジで以上です

満足できた方はもうここで記事を閉じていただいて全く問題ないです。

計算過程が気になる方、なぜその変形をするのか知りたい方だけ続きをどうぞ!

では!!

まずは3次方程式のやり方の確認から

4次方程式は実質3次方程式なので(何を言っているか分からないと思いますがひとまずスルーしてください)、

3次方程式の解の公式を導出する流れをざっくりおさらいしておきます。

まずは平方完成っぽいことをして式を簡単にします。

具体的には、

$ax^3+bx^2+cx+d=0$

を$y^3+a_1y+a_2=0$という形に置き換えます。

そして、$y=s+t$と置き、

2次方程式の解と係数の関係を発動して

3次方程式を解く問題を2次方程式に帰着させます。

初見の方はポルナレフ状態になって

何を言っているか分からないと思いますので、

今起こったことをありのまま説明したこちらの記事をご覧ください。

4次方程式と戦ってみよう!

①最高次の係数を1にする

まずは式を簡単にしていきます。

$ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0$

の全体を$a$で割ります。

$x^4+\dfrac{b}{a}x^3+\dfrac{c}{a}x^2+\dfrac{d}{a}x+\dfrac{e}{a}=0$

となります。

②平方完成っぽいことをして式を簡単にする

2次方程式$x^2+\dfrac{b}{a}x+\dfrac{c}{a}=0$を解くときは、平方完成をして

$y=x+\dfrac{b}{2a}$と置き換えました。

すると、元の式は$y^2=〇^2$の形となり、

見かけ上1次の項が消えます

3次方程式$x^3+\dfrac{b}{a}x^2+\dfrac{c}{a}x+\dfrac{d}{a}=0$

を解くときは、同じノリで

$y=x+\dfrac{b}{3a}$と置きました。

すると、元の式は$y^2+a_1y+a_2=0$

となり、2次の項が見かけ上消えます。

では、4次方程式

$x^4+\dfrac{b}{a}x^3+\dfrac{c}{a}x^2+\dfrac{d}{a}x+\dfrac{e}{a}=0$

の場合はどうでしょうか?

同じノリを継承します!

すなわち、$y=x+\dfrac{b}{4a}$と置きます。

計算過程はめんどくさすぎて余白に収まりきらなかったので、

サボります笑

計算結果をまとめると、

$y^4+a_1y^2+a_2y+a_3=0$

の形になって、3次の項が消えます。

さて、ここからが問題です。

3次方程式の場合は、次に$y=s+t$と置いて計算しました。

この考え方を4次方程式にも応用します。

次数が上がったので1文字増やして、

③$y=s+t+u$を代入!

$y^4+a_1y^2+a_2y+a_3=0$

に$y=s+t+u$を代入。

$(s+t+u)^4+a_1(s+t+u)^2+a_2(s+t+u)+a_3$を計算します。

ここからはサボらず気合で頑張ります。

まずは$(s+t+u)^4$からいきましょう。

$(s+t+u)^4=\lbrace (s+t+u)^2 \rbrace ^2$

$=(s^2+t^2+u^2+2st+2tu+2us)^2\cdots ㋐$

さて、ここから先は脳筋計算では歯が立ちませんので、

ちょっと工夫していきます。

3次方程式の際は、

$y=s+t$と置いたことによって何が嬉しかったかというと、

2次方程式の解と係数の関係を発動できるようなかたまりを発見して

3次方程式を2次方程式に落とし込むことができた、という点です。

4次方程式の場合は、なんとなく、

4次方程式を3次方程式に落とし込むのだろうな、という予想が立ちます。

そこで、3次方程式の解と係数音関係に出現する、

$〇+△+◆$

$〇△+△◆+◆〇$

$〇△◆$

っぽい形に着目して整理していきます。

㋐の式より、

$(s+t+u)^4=\lbrace s^2+t^2+u^2+2(st+tu+us) \rbrace^2$

$=(s^2+t^2+u^2)^2+4(s^2+t^2+u^2)(st+tu+us)+4(st+tu+us)^2$

大部ヤバい式ができましたね笑

最後の項だけ取り出して展開してみましょう。

$4(st+tu+us)^2=4(s^2t^2+t^2u^2+u^2s^2+2st^2u+2tu^2s+2us^2t)$

$=4(s^2t^2+t^2u^2+u^2s^2)+8stu(s+t+u)$

よって、

$(s+t+u)^4+a_1(s+t+u)^2+a_2(s+t+u)+a_3$

$=(s^2+t^2+u^2)^2+4(s^2+t^2+u^2)(st+tu+us)+4(s^2t^2+t^2u^2+u^2s^2)+8stu(s+t+u)$

  $+a_1(s^2+t^2+u^2)+2a_1(st+tu+us)+a_2(s+t+u)+a_3$

3次方程式の解と係数の関係っぽい形をしてる、

$s+t+u, st+tu+us, stu$に着目してこの式を整理していきます。

他に、$s^2+t^2+u^2$と$s^2t^2+t^2u^2+u^2s^2$にも可能性を感じます。

$s^2+t^2+u^2=A, s^2t^2+t^2u^2+u^2s^2=B$と置きましょう。

すると、

$(s+t+u)^4+a_1(s+t+u)^2+a_2(s+t+u)+a_3$

$=(a_2+8stu)(a+t+u)+(4A+2a_1)(st+tu+us)+A^2+a_1A+4B+a_3\cdots ㋑$

である。これが0になるような$s, t, u$が存在すれば、

$y=s+t+u$から$y$が求まり、$y$が求まれば$x$が求まります。

あとは$s, t, u$が求まればよいです。

ここで、3次方程式の解と係数の関係を使えるように工夫します。

とにかく㋑の式が0になる$s, t, u$が欲しいので、

とりあえず

$a_2+8stu=0\cdots ㋒$

$4A+2a_1=0\cdots ㋓$

$A^2+a_1A+4B+a_3=0\cdots ㋔$

という条件を付けてみます。

これらを満たす$s, t, u$が存在したら嬉しいわけです。

㋒より、$stu=-\dfrac{a_2}{8}$

㋓より、$A=-\dfrac{a_1}{2}$

です。$A=-\dfrac{a_1}{2}$を㋓に代入しましょう。

$\dfrac{(a_1)^2}{4}-\dfrac{(a_1)^2}{2}+4B+a_3=0$

よって、$B=\dfrac{(a_1)^2}{16}-\dfrac{a_3}{4}$

$A=s^2+t^2+u^2, B=s^2t^2+t^2u^2+u^2s^2$を踏まえてこれらの式を並べると、

$s^2+t^2+u^2=-\dfrac{a_1}{2}$

$s^2t^2+t^2u^2+u^2s^2=\dfrac{(a_1)^2}{16}-\dfrac{a_3}{4}$

$stu=-\dfrac{a_2}{8}$

最後の式を二乗すれば、3次方程式の解と係数の関係が発動できます。

$s^2+t^2+u^2=-\dfrac{a_1}{2}$

$s^2t^2+t^2u^2+u^2s^2=\dfrac{(a_1)^2}{16}-\dfrac{a_3}{4}$

$s^2t^2u^2=\dfrac{(a_2)^2}{64}$

④解と係数の関係を発動

よって、3次方程式の解と係数の関係より、

$s, t, u$は3次方程式

$m^3+\dfrac{a_1}{2}m^2+\lbrace \dfrac{(a_1)^2}{16}-\dfrac{a_3}{4} \rbrace m-\dfrac{(a_2)^2}{64}=0$

の解となります。

⑤$stu=-\dfrac{a_2}{8}$の条件を使って絞りこみ

3次方程式は解の公式を得ているので、$s, t, u$はこの3次方程式の係数と

1の三乗根$\omega$を用いて表すことができます。

これらの解のうち、$stu=-\dfrac{a_2}{8}$を満たすもののみが適するので、

これを満たす$s, t, u$を新たに$S, T, U$と置きましょう。

$STU=(-S)(-T)U=(-S)T(-U)=S(-T)U$が成立するので、

$y=S+T+U, -S-T+U, -S+T-U, S-T+U$

となり、$y$が求まれば$y=x+\dfrac{b}{4a}$だったので、

$x=-\dfrac{b}{4a}+S+T+U, -\dfrac{b}{4a}-S-T+U, -\dfrac{b}{4a}-S+T-U, -\dfrac{b}{4a}+S-T-U$

となります。

まとめ

いかがでしたか?

・平方完成っぽい変形で式を簡単にする

・$y=s+t+u$という置き換えをする

・色々置き換えつつ、3次方程式に持ち込む

これだけ抑えて起きてくだされば差し支えありません。

4次方程式は、計算がヤバすぎて実用する気になれませんが、

解の公式が存在している、という事実があるだけで数学を進めるうえでは便利です。

今回はだいぶ計算がヤバい内容でしたが、

ガロア理論関係については、この記事より計算がヤバいものはないので、

あとは気楽に楽しんでください。

ではまた次の記事でお会いしましょう!

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