方程式とガロア理論
1次方程式は、解くことができます。中学1年生で習うやつです。1次方程式の解は1つです。
$$ax+b=0 のとき , x=-\dfrac{b}{a}$$
2次方程式も解の公式で解くことができます。2次方程式は解が2個あるので、それぞれ$x_1$と$x_2$とします。
$ax^2+bx+c=0$ のとき,
$x_1=\dfrac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}, x_2=\dfrac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$
3次方程式にも解の公式が存在し、解くことができます。
高校では習いませんけどね。実は解けるんです。
教科書に載っていない理由は、多分式が長すぎるからだと思います。
どのくらい長いかというと、公式だけで丸々1ページくらいです。
長すぎるので、$s$と$t$で置き換えをしてシンプルな形だけ紹介します。
3次方程式は解が3個あります。$\omega$は1の三乗根です。
$ax^3+bx^2+cx+d=0 のとき, $
$x_1=-\dfrac{b}{3a}-s-t, x_2=\dfrac{b}{3a}-\omega s-\omega^2t, x_3=\dfrac{b}{3a}-\omega^2 s-\omega t$
4次方程式も実は解けます。置き換えてもなお長いので、今回は省略します。
で、ここまできたら5次方程式も解けそうじゃないですか。そう思うじゃないですか。
でも、5次以上の方程式には解の公式が存在しないんです!
これが「5」という数がもつ個性です。
すごくないですか? 僕は一桁の数のなかで5が一番好きです。
しかし、よくよく考えてみると、
$x^6+6x+3=0 のとき, $
$x=\sqrt[3]{-3\pm \sqrt{6}}, \omega \sqrt[3]{-3 \pm \sqrt{6}}, \omega^2 \sqrt[3]{-3 \pm \sqrt{6}}$
$x^5-1=0 のとき, $
$x=1, \dfrac{-1+\sqrt{5}\pm i\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4}, \dfrac{-1-\sqrt{5}\pm i\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}$
5次以上の方程式でも、解けるものは普通に解けます。上記の2つの方程式は高校レベルで解けますので、腕に覚えがある人はぜひ解いてみてください。
要するに、5次以上の方程式には、解けるものと解けないものがあるわけです。
そうなると、次に数学者はどんなことを考えると思いますか?
答えはこうです。
解けるやつと、解けないやつの違いはなんなの??
方程式が解けるための必要十分条件は何???
それらに答えを出したのが、フランスの若き数学者ガロアでした。
後の数学者たちは、彼が編み出した手法に敬意を表し、ガロア理論と呼んでいます。
ガロアの肖像
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