図形の知識ってなんの役に立つの?
三角形、四角形、円。小学校以来、我々は様々な図形について習ってきました。
しかし、この一週間でそれらの知識を日常生活でつかったよ、という人がどれだけいるでしょうか。
学校の授業以外でこれらの図形と出会うことはないなぁ、
何のために習ったのだろうなぁと疑問に思っている人は多いと思います。
当然です。図形を試験の問題を解くためのツールとして捉えていたら、日常生活への数学アンテナは育ちません。
しかし、我々の身の回りでは、想像以上に様々な図形の性質が活用されています。気づきにくいだけで。
例えばタイヤ。丸いですよね。あれは円です。四角いタイヤなんてありえません。
「形」に着目して世界を眺めてみると、世の中の見え方が全然違ってきます。
それぞれの「形」には必然性があり、図形が持つ数学的な性質が活用されています。
今回は、特に三角形に着目してそのすさまじさを楽しんでいきましょう!
これ、何でしょう?
そうです!東京タワーです!!
注目してほしいのは、骨組み部分です。たくさんの図形が見えると思います。大きい五角形があって、その中に四角形があって、周りには三角形がたくさんあります。
注目に値するのは、骨組みの基本となる図形は必ず三角形になっているという点です。五角形も四角形もありますが、
それらは必ず三角形に分割されるように設計されています。
少し乱暴な見方をすると、東京タワーは三角形をたくさん組み合わせてできているわけです。
そうすると、ある疑問が浮かびます。
なぜ基本となる図形は四角形ではなく三角形なのだろう?
基本となる図形が三角形である必要はないような気がします。四角形でもよさそうです。
なぜ三角形でなければならないのでしょうか?疑問です。
そこで、研究の常とう手段の一つ「比較しながら観察する」という手法を使ってみます。
三角形と四角形を比べて、その違いに着目してみましょう。
爪楊枝で四角形を作ってみます。簡略のため、爪楊枝の長さ(すなわち一片の長さ)は全て等しいと思いましょう。
いろんな四角形が作れます。正方形や、ひし形や、すごく細長いひし形を作ることができました。
では、三角形ではどうでっしょう。四角形と同じように色々な三角形を作れるでしょうか?
答えのはNOです。三角形は、今回の場合は正三角形しか作れません。絶対に正三角形です。
これです。これが三角形と四角形の決定的な違いなんです!
すなわち、三角形は三辺の長さを決めると形が一つに定まるのに対し、
四角形は四辺の長さを決めても形が一つに定まらないのです。
三辺の長さを決めると形が一つに定まる。
三角形のこの性質を、合同条件という名で呼ぶのでした。
では、三角形と四角形の違いは、建物にどのような影響を与えるのでしょうか?
下のgifを見てください。
四角形は四辺の長さを決めても形が定まりません。
これを建物に置き換えると、変形しやすい、ということになります。
変形しやすいものは、つまりは壊れやすいものとなります。
対して、三角形は三辺の長さを決めると形が一つに定まります。
これを建物に置き換えると、変形しにくい、ということになります。
つまり、三角形は他の図形よりも圧倒的に丈夫なのです!
三角形最強と覚えておきましょう。マジで本当に最強の図形。それが三角形なのです。
だから東京タワーの骨組みは、三角形を基本として作られていたんですね!
他にも、大型の体育館の天井や、大きめの橋などにも三角形が使われているので、
日常生活で大きな建物を見かけたらぜひ三角形を探してみてください。
また、興味がある人は、トラス構造という単語を調べてみてください。
より三角形を見るのが楽しくなります。
おまけ
三角形の合同条件って、「三辺の長さが等しい」だけではなかったですよね。
他にも、「一辺とその両端の角が等しい」というものや、「二辺とその間の角が等しい」というものもあります。
「二辺とその間の角が等しい」という性質も、大きく我々の生活を支えています。
それは、パイプ椅子です。
あの折りたためて便利な椅子の背景にも、実は三角形の合同条件が隠されていたのです。
まとめ
いかがでしたか?
三角形の合同条件なんて単語は久しぶりに思い出したのではないでしょうか。
あれめっちゃすごい性質で、我々の文明の建物を支えてくれているので、ぜひ思い出してあげてください。
大きな建物を見たとき、ふと三角形が目に留まると、それだけでちょっと嬉しい気持ちになります。
このように、このサイトでは数学を楽しむポイントの解説をしていきます。
今後もどうぞよろしくお願いします!
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